お中元やお歳暮など、人から贈り物を頂いたらお返しをするのが一般的ですが、婚約指輪(エンゲージリング)をパートナーからもらった時に、お返しは必要なのでしょうか。
贈るとしたら品物は何にするべきか、予算はどれくらい用意すれば良いかなど、考えることはたくさんあります。婚約指輪のお返しは、早めに準備をしておくことが大切です。
ここでは、婚約指輪のお返しの必要性やおすすめの品物、予算などをご紹介します。
婚約指輪にお返しは必要?
婚約指輪や婚約記念品が絶対に必要ではないように、婚約指輪のお返しも必須ではありません。実際に、婚約指輪の起源といわれるヨーロッパにはお返しの風習はなく、「お返しの文化」がある日本独自の風習とされています。
ゼクシィの『結婚トレンド調査』によると、婚約指輪などの婚約記念品にお返しを贈った方の割合は、全国(推計値)で46.5%でした。※
婚約指輪をもらった人のうち、半分ほどはお返しをしていることになります。
品物を贈るのではなく、結婚式や新婚旅行、新生活にかかる費用を多めに出したなど、別の形で感謝の気持ちを伝えている方も見られます。プロポーズしてくれた相手の気持ちに感謝を込めて、お返しするのもすてきではないでしょうか。
結婚に関係する返礼品に、「結納返し」と呼ばれるものがあります。結納返しとは、結納の際に男性側から女性側に贈られる「結納品」に対して、女性側からお返しとして贈る品物です。
結納を行わないケースも増えた近年は、婚約指輪を結納品として扱うこともあり、この場合は婚約指輪のお返しが結納返しの意味を持ちます。
※ゼクシィ結婚トレンド調査2022調べ
https://souken.zexy.net/data/trend2022/XY_MT22_report_06shutoken.pdf
婚約指輪のお返しは何が良い?
婚約指輪のお返しを贈ろうと決めても、「何を渡せば良いのかわからない」と悩んでしまう方もいらっしゃるでしょう。婚約指輪のお返しとして定番の品をご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
腕時計
腕時計は、婚約指輪のお返しの定番です。実用性に優れており、デザイン次第ではプライベートからビジネスシーンまで身に着けることができます。
メンテナンスさえ行えば一生使うことができるうえに、価格帯が幅広く予算に応じて選びやすい点も魅力です。
腕時計は、各ブランドからデザインや機能性の異なる、多くの腕時計が販売されています。相手の好みや着用するシチュエーションを加味して、長く愛用できるものを選ぶことがポイントです。
スーツ
スーツも婚約指輪のお返しに適しています。仕事でスーツを着用する機会が少ない方でも、フォーマルなシーンでは必要なので実用的といえます。
スーツだけでは予算が余る時は、シャツやベルト、靴、ネクタイピンといった小物をセットで贈るのも良いでしょう。男性が礼服を持っていないのであれば、冠婚葬祭用に礼服を贈るのもおすすめです。
ただし、スーツや礼服は、サイズが合わないと不格好に見えてしまいます。採寸の問題があるため、2人で一緒に選びに行くのが無難です。
財布
毎日使用する財布も、お返しの品におすすめです。腕時計よりリーズナブルな価格帯に収まることが多いので、予算に合わせやすいのではないでしょうか。
2つ折りや長財布といったデザイン、入れられるカードの数、色合いなどの好みがあるため、相手の好みを事前に把握しておくと、選ぶ際に役立ちます。
また、財布以外にもキーケースやポーチなど、高級感のある上質な革製品も人気が高いプレゼントです。
カバン
毎日使うものの新調する機会は少ない、ビジネス用のカバンもお返しの品として人気です。上質な革製品なら、お手入れをすることで長く愛用できます。
近年人気が高いリュックタイプのカバンや、機能性に優れたブリーフケースなど、さまざまな商品があるので、相手の好きなものを選べる点も魅力です。
電化製品
今後の生活に使える電化製品も、人気が高いお返しです。ノートパソコンやタブレット、イヤホンといった個人的に使うものから、テレビや冷蔵庫、掃除機のように新生活で必要になるものまで、幅広い種類から選べます。
ただし、電化製品は新商品が発売されるサイクルが短く、機器が故障してしまうリスクもあります。実用性に優れている反面、他のお返しと異なり、長く愛用するのは難しい点は覚えておきましょう。
旅行
腕時計やスーツといったものを渡すのではなく、旅行の費用を出してお返しにするケースも人気です。写真を撮ったり、お土産を買ったり、おいしい食事を楽しんだりと、2人での思い出を残すことができます。
相手のお気に入りの観光地や思い出の場所、行ったことがない憧れの場所などを旅行先にすると、一生の思い出になるでしょう。
婚約指輪のお返しの相場はいくら?
婚約指輪のお返しの相場は、一般的には半額(半返し)から3分の1程度とされますが、お返しの有無が個人の自由であるように、予算もその範囲内である必要はありません。
『結婚トレンド調査』では、婚約記念品のお返しの費用相場(全国・推計値)は平均13.5万円でした。内訳では10~12万円未満が17.8%で最も多く、次いで4~6万円未満が13.1%という結果になっています。
重要なのは金額ではなく気持ちです。数字はあくまでも参考として捉え、無理のない範囲内でお返ししましょう。
婚約指輪のお返しを渡すタイミングは?
婚約指輪のお返しは、どのような品を渡すのかだけでなく、いつ渡すのかも大切なポイントです。品物と同じく正解はありませんが、お返しを渡すのに適したタイミングも覚えておきましょう。
顔合わせの食事会で
結婚する前に、お互いの家族があいさつを取り交わすために、食事会を行うことがあります。両家顔合わせの食事会がある時は、婚約指輪をお披露目するタイミングでお返しを渡すのがおすすめです。婚約指輪に続いてお返しも披露すれば、その場を盛り上げることができます。
スーツや靴といった身に着ける品物は、事前にプレゼントしておき、当日着てもらうのも良いでしょう。
結納で
顔合わせよりもフォーマルな結納を行うことが決まっている方は、結納の場もお返しするタイミングとして最適です。婚約指輪だけでなく結納金もやり取りする可能性がありますが、基本的に結納返しと婚約指輪のお返しは別物として扱うことをおすすめします。
ただし、お返しの品を結納返しと別にするのか、結納返しに含めるのかは、地域の風習や家の考えによって異なります。事前に、両親にも相談しておくと安心です。
好きなタイミングで
両家顔合わせの食事会や結納の予定がなく、正式な場所で渡すのが難しいのであれば、2人の好きなタイミングでお返しを贈るのも良いでしょう。
相手の誕生日や2人の記念日、お返しの品を購入してすぐなどが、タイミングの例として挙げられます。
基本的にはいつ・どのような形で渡すのも自由ですが、婚約指輪のお返しなので、入籍や結婚式の前には渡しておくのが理想です。婚約指輪を頂いてからすぐに、お返しの相談をパートナーにしておくと、余裕を持って品物を選びやすくなります。
一生の記念になる贈り物を見つけよう
婚約指輪に対するお返しは、絶対に必要なわけではありません。
ただし、お返しを婚約の記念品として考えて用意しておけば、相手にも喜んでもらえるのではないでしょうか。
具体的に何を贈るかは自由ですが、腕時計やスーツなど、身に着けて使うものは長く愛用してもらいやすいのでおすすめです。2人で相談して、一生の記念になる贈り物を見つけてみてください。