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ジャーナル
vol.1

合成ダイヤモンド(人工ダイヤモンド)とは?
天然ダイヤモンドにはない2つの魅力

合成ダイヤモンド(人工ダイヤモンド)とは? 天然ダイヤモンドにはない2つの魅力

ダイヤモンドは、地球の奥深くで長い時間をかけて生まれてくる貴重な結晶です。美しい輝きや希少性の高さから、天然のダイヤモンドは古くから多くの人々に愛されてきました。
近年は「合成ダイヤモンド(人工ダイヤモンド・ラボグロウンダイヤモンド)」という言葉を耳にすることもありますが、天然のダイヤモンドとは何が、どのように異なるのでしょうか。
ここでは、合成ダイヤモンドの特徴や作り方、天然のダイヤモンドにはない魅力などをご紹介します。

合成ダイヤモンド(人工ダイヤモンド)とは

合成ダイヤモンド(人工ダイヤモンド)とは

合成ダイヤモンドとは、自然の力で生まれる天然ダイヤモンドとは異なり、人工的に作られたダイヤモンドのことです。ラボ(Laboratory/工房・研究所)で作られることから、「ラボグロウンダイヤモンド」や「人工ダイヤモンド」と呼ばれることもあります。

合成ダイヤモンドと天然ダイヤモンドの化学成分や結晶構造は基本的に変わらず、光学的・物理的特性も同じです。ダイヤモンドを模して作られた人工石(模造石)の「キュービックジルコニア」のように、見た目が似ているだけではなく、合成ダイヤモンドは化学的には「天然のダイヤモンドと同じもの」ということができます。

先行国であるアメリカでは「Laboratory Grown Diamonds(ラボで成長したダイヤ)」もしくは「Laboratory Created Diamond(ラボで創造されたダイヤ)」と表記することが多く、「Synthetic Diamond(合成ダイヤモンド)」の表記は推奨されていません。
これは、Synthetic(合成)という単語に、「異なる人工的な代替物を混ぜ合わせることで作られた」という意味があり、天然ダイヤと同じ成分であることにそぐわないからと考えられます。

従来から工業用途では広く使われていましたが、近年は大粒かつ、高い品質を美しい合成ダイヤモンドを製造できるようになったことから、宝飾用途で使われるケースも増えてきています。

合成ダイヤモンドの作り方

合成ダイヤモンドの作り方

合成ダイヤモンドを生み出す方法は、HPHT(高温高圧法)とCVD(化学気相蒸着法)の2種類あります。それぞれの作り方は、以下のとおりです。

HPHT(高温高圧法)

天然のダイヤモンドは、地中深くのマントルで、高温・高圧に長い時間さらされ続けることで作られます。天然ダイヤモンドが生成される高温・高圧な環境を人工的に再現することで、合成ダイヤモンドを生み出す方法が「HPHT(High Pressure and High Temperature:高温高圧法)」です。

5GPa(5万気圧)以上の高圧がかかる装置の中で、純度の高い炭素を1,400℃以上の高温に熱して、合成ダイヤモンドを生成します。主にメレ(小粒)の合成ダイヤモンドや、工業用ダイヤモンドの生成に使われる技術ですが、近年はHPHTによって大粒の合成ダイヤモンドを生成することもあります。

CVD(化学気相蒸着法)

薄くスライスしたダイヤモンドを種として、層状に成長させていくのが「CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相蒸着法)」です。真空装置内で炭素を含んだメタンガスにマイクロ波を当てることで、少しずつダイヤモンドを成長させていきます。

HPHT法に比べてサイズや純度を調整しやすく、大粒でクラリティ(透明度)の高い合成ダイヤモンドを生成できるのが特徴です。
発色に関する要素の量も調整できるため、天然のダイヤモンドでは貴重なブルーやピンクといったカラーダイヤモンドを生成することもできます。

天然ダイヤとは異なる合成ダイヤモンドの魅力

天然ダイヤとは異なる合成ダイヤモンドの魅力

合成ダイヤモンドは、自然に作られる天然ダイヤモンドにはない魅力を備えています。合成ダイヤモンドならではの魅力には、どのようなことがあるのでしょうか。
天然ダイヤモンドと比較しながら、合成ダイヤモンドの持つ魅力を2つご紹介します。

地球環境に優しい

天然のダイヤモンドは、環境への影響や過酷な労働環境が指摘されたり、希少性の高さが原因で紛争の資金源になったりと、採掘に当たってさまざまな問題点が叫ばれてきました。

一方で、合成ダイヤモンドはラボで化学的な方法で生成するため、採掘を行ったり、劣悪な労働環境で作業したりすることはありません。もちろん、紛争の資金源になることもありません。

人工的に生成すると聞くと、電力やガスなどのエネルギーをたくさん消費するイメージを持ちがちですが、合成ダイヤモンドの製造にかかるエネルギーの消費量は、天然のダイヤモンドの採掘にかかるエネルギー量よりも少ないとされています。
地球環境に優しく、労働力の搾取などにもつながりにくいことから、近年はサステナブルな観点から合成ダイヤモンドを選ぶ方も増えつつあります。

天然ダイヤモンドよりもコストが抑えられる

天然のダイヤモンドは、世界中のどこからでも採れるわけではありません。採掘を行っているのは、世界の中でも一部の限られた場所だけです。
採掘後はカットや研磨を施したうえで、リングなどのジュエリーに加工されます。採掘や製造、流通など、さまざまなコストがかかってジュエリーとなっているのです。

さらに、天然ダイヤモンドは自然が生み出す天然資源なので、永遠に採掘できるわけではない点も問題です。天然ダイヤモンドは徐々に採掘量が減っていき、希少性が高まることで、今後も価格が上がっていくことが予想されています。

一方で、合成ダイヤモンドは製造コストこそかかるものの、採掘のコストはかかりません。技術の進歩により美しい合成ダイヤモンドを量産できる体制も整いつつあり、天然ダイヤモンドよりもコストを抑えることができます。

コストを抑えながら、天然のダイヤモンドと同じ輝きを楽しめる点も、合成ダイヤモンドの大きな魅力といえるでしょう。

合成ダイヤモンドと天然ダイヤモンドは見分けられる?

合成ダイヤモンドと天然ダイヤモンドは見分けられる?

前述のように、合成ダイヤモンドと天然ダイヤモンドは、成分的には全く同じものです。ラボで作られているとはいえ、合成ダイヤモンドも天然ダイヤモンドのように内包物が混じることもあります。

基本的には、人の目で「合成ダイヤモンドか天然ダイヤモンドか」を判断することはできません。合成か天然かの判別は、鑑定機関で機械を使って行います。

ただし、一般社団法人日本ジュエリー協会では、「ダイヤモンド」と表記した場合は「天然ダイヤモンド」を意味し、合成(ラボグロウン)の場合は必ず「合成ダイヤモンド」と接頭語を冠することとしています。 そのため、日本では自然にできたダイヤモンドと、ラボで作られた合成ダイヤモンドは、「合成」「ラボグロウン」などの接頭語がついているかどうかで判別可能です。

合成ダイヤモンドで美しい輝きを楽しもう

合成ダイヤモンドで美しい輝きを楽しもう

合成ダイヤモンドは、キュービックジルコニアのような見た目が似ているだけの模造石ではありません。化学組成的には、天然ダイヤモンドと全く同じものです。 見た目で天然のダイヤモンドと見分けることは難しく、美しい輝きを楽しむことができます。天然では貴重なブルーやピンクといったカラーダイヤを作ることも可能です。

また、天然のダイヤモンドのように紛争の資金源になることもなく、地球環境や労働問題に配慮している点も魅力といえるでしょう。

天然のダイヤモンドは、採掘量が減ってきており、今後もその希少性はさらに高くなっていくと予想されています。合成ダイヤモンドという新しい選択肢を、大切なジュエリーに留める宝石として検討してみてはいかがでしょうか。

ラボグロウンダイヤモンドに関しては、以下の記事でもご紹介していますので、併せてご確認ください。

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