婚約中であることを示す婚約指輪。婚約指輪や結婚指輪といえば左手薬指に着けるイメージが強いですが、なぜ左手の薬指なのでしょうか。他の指に着けてはいけないのか、気になる方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、婚約指輪を左手の薬指に着ける理由や、指輪を着ける指ごとの意味、結婚後の婚約指輪の着け方などをご紹介します。
婚約指輪はどの指に着けるのが正解?
婚約指輪や結婚指輪は、左手の薬指に着けるのが一般的です。ただし、薬指に着けるという明確なルールはありません。左手薬指のイメージが強いものの、実は好きな指に着けることができます。
左手の薬指に着けるのが一般的な理由としては、以下の3つが挙げられます。
左手の薬指は心臓につながるから
古代ギリシャや古代エジプトの時代は、「心臓は人の感情を司る場所で、左手の薬指には心臓につながる重要な血管がある」と信じられていました。
人の心(感情)の象徴である心臓とつながる左手薬指に指輪を着けることで、相手の心をつなぎとめるという意味を持たせていたようです。
この風習が、時代を超えた現代でも一般化しています。
愛や絆が深まるから
両手の10本の指は、それぞれ異なる意味を持っています。左手の薬指に込められた意味は「愛や絆を深める」です。
2人の永遠の愛を誓う婚約指輪や結婚指輪にふさわしい指である点も、左手薬指に着ける理由として挙げられます。
日常生活であまり使わないから
婚約指輪や結婚指輪を着ける時に怖いのが、指輪を傷つけたり、なくしたりすることでしょう。指輪を身に着ける時は、ぶつけたり、落としたりするのを防ぐ必要があります。
左手の薬指は、そのような点でも指輪を身に着けるのに最適です。
世界的に、左利きよりも右利きの方が多い傾向にあります。さらに、左手薬指は日常生活で特に動かす機会が少ないとされる指です。
婚約指輪を引っ掛けたり、ぶつけたりしにくいという実用的な点でも、左手薬指は指輪を着けるのに向いています。
また、日本では「左手薬指に指輪を着けている=結婚・婚約をしている人」と認識されやすい傾向にあります。左手薬指に指輪を着けることで、周囲に「結婚・婚約している」ことを知らせられる点もメリットです。
着ける指によって変わる指輪の意味
ご紹介したとおり、左手の薬指は「愛や絆を深める」という意味を持っています。その他の指にもそれぞれ意味が込められており、指輪を着ける指によって意味が変わります。
自分の願いや想いを込めて、指輪を着ける指を決めるのもおすすめです。
親指(サムリング)
- 左手:自分の信念を貫き、思いを実現させる
- 右手:リーダーシップを発揮する
人差し指(インデックスリング)
- 左手:行動力や積極性を高める
- 右手:集中力を高める
中指(ミドルフィンガーリング)
- 左手:協調性や判断力を高める
- 右手:インスピレーションを高める。邪気から身を守る
薬指(アニバーサリーリング)
- 左手:愛と絆を深める。願いを実現する
- 右手:心を落ち着ける
小指(ピンキーリング)
- 左手:チャンスを呼び込み、願いをかなえる
- 右手:自分らしさを発揮する。魅力を高める
指の持つ意味は、文化や宗教によって異なる場合があります。上記はあくまでも一例として、参考にしてみてください。
国や宗教による違いも
婚約指輪や結婚指輪は、日本をはじめ、世界中のさまざまな国で左手の薬指に着けるのが一般的です。
しかし、中には異なる風習を持つ国や宗教もあります。
例えば、ドイツやオーストリア、ポーランドなど、東ヨーロッパの国では右手の薬指に結婚指輪、左手薬指に婚約指輪を着けることが多いです。
宗教による違いもあり、キリスト教でもカトリック系は左手薬指に、プロテスタント系は「正義の象徴」とされる右手の薬指に指輪を着ける傾向にあります。
また、インドや東南アジアなど、左手は不浄なものという考えのあるヒンドゥー教の教徒は、婚約指輪も結婚指輪も右手に着けるのが基本です。両足の人差し指に、トゥーリングと呼ばれる指輪を着けることもあります。
他にも、婚約から結婚までは右手の薬指に指輪を着けておき、結婚後に左手の薬指に着け替えるなど、国や宗教によって着け方はさまざまです。
左手薬指というイメージが強い婚約指輪ですが、思い思いの指に着けてみるのも良いでしょう。
結婚式当日や結婚後はどうする?
通常は左手の薬指に着けることが多い婚約指輪ですが、結婚指輪の交換を行う結婚式当日や、結婚指輪を身に着ける結婚後はどの指に着ければ良いのでしょうか。
結婚式当日と結婚後の、婚約指輪の着け方をご紹介します。
結婚式当日は右手の薬指に
結婚式当日は、セレモニーとして2人で結婚指輪の交換を行います。左手の薬指に婚約指輪を着けたままだと、式中に一度指輪を外さなければいけません。
そのため、結婚式の最中は婚約指輪を右手の薬指に移しておき、左手の薬指は結婚指輪のために空けておくのが一般的です。
結婚指輪の交換が終わった後に、婚約指輪を右手から左手に移して重ね着けする「エンゲージカバーセレモニー」を行うのもおすすめです。結婚指輪の上から婚約指輪でフタをすることで、「永遠の愛の誓いにフタをする」という意味を込められます。
エンゲージカバーセレモニーを行わない方や、婚約指輪の紛失が不安な方は身に着けないでおくのも良いでしょう。
結婚後は重ね着けがおすすめ
結婚後は、左手薬指には結婚指輪を着けることが多くなります。結婚後も婚約指輪を使いたい方は、結婚指輪の上から婚約指輪を着ける「重ね着け」を行ってみてはいかがでしょうか。
結婚指輪と婚約指輪を重ねることで、手元に華やかな印象をプラスできます。
重ね着けを行う時は、2つの指輪のデザインを確認しておきましょう。指輪同士のデザインやテイストが似ている方が、重ね着けした時に美しく見せることができます。
重ね着けを前提にデザインされた、セットリングを選ぶのもおすすめです。
重ね着け以外の使い方としては、結婚式当日と同様に、右手薬指に婚約指輪、左手薬指に結婚指輪を着けるのも良いでしょう。指輪のデザインが重ね着けに向かない場合も、婚約指輪を身に着けやすくなります。
ただし、左右の薬指でサイズが異なることも考えられます。右手薬指に婚約指輪を着けたい方は、サイズが合うかどうか確認しておくと安心です。
前述したとおり、婚約指輪の使い方に具体的な決まりはありません。意味から指輪をする指を決めたり、サイズの合わなくなった婚約指輪をネックレスにして身に着けたりするのも、楽しみ方のひとつです。
婚約指輪は好きな着け方で楽しもう
一般的には左手薬指のイメージが強い婚約指輪ですが、着け方に決まりはありません。結婚指輪と重ね着けする、右手の薬指に着ける、ネックレスにするなど、自由な使い方で楽しむことができます。
込められている意味から、指輪を着ける指を決めるのも良いでしょう。子どもの入学式や友人の結婚式などで婚約指輪を身に着ければ、指先を華やかに彩ることができます。
ただし、結婚式当日は結婚指輪の交換を行います。婚約指輪は右手の薬指に着けておくか、外しておくのがおすすめです。
ご紹介した以外にも、婚約指輪はさまざまな方法で使うことができます。自分らしい方法で、婚約指輪を大切にしましょう。